中学美術資料とGUNとMySkip | a.r.t.

中学美術資料とGUNとMySkip

当地の中学生が美術の授業で使う「資料本」を開くと、まず「新潟の美術」とある。「新潟の自然・風土に根ざした先人たちの作品を通して、その創造精神・美のこころにふれてみよう」ということで、9ページに渡って新潟が生んだ作家と作品が紹介されているが、そのトップを飾るのは横山操とか佐藤哲三とか土田麦僊とかではなく、1970年の現代アートの記録写真であった。‥‥

とは、月刊MySkipでの連載コラム(2005年10月号)に書いたこと。

GUN 雪のイメージを変えるイベント ちょうどその頃、新潟市美術館で「美術の教科書」なる展覧会が開催されていたのだが、その変なユニークなタイトルを横目に「実際の美術の教科書ははたしてどんなことが書いてあるのか?」と何気に調べたら冒頭から見事に面白く、コラムネタにまでなった次第。

ここでの記録写真とは、今日まで長岡で軌跡展 を開催していた「新潟現代美術家集団GUN」の、「雪のイメージを変えるイベント」である。信濃川河原の雪原に農薬噴霧機で絵の具をぶちまけたというもの。モノクロなのでよくわからないが、右上の画像がそれ。


GUNの軌跡展 “教科書”に載るなど、かつての前衛が今は歴史のなかで語られている。GUN自体も再評価がなされているが、しかし、その活動の全貌を概説的にわかりやすく書いたものは案外と少ないようだ。展覧会資料など、専門家・作家向けに書かれたものを除くと、今のところ一般向けにはマイスキップ誌(2006年5月号)の特集で書いた拙文「新潟現代アートの先鋭たち」 くらいではなかろうかとも思っている。

(そのためもあってか当該号のバックナンバーがあるかという問い合わせが届くのだが、私自身の記録保存用として残しているもの以外、手元に残部はほとんどなくなっている。)


次号2月号でGUN特集第2弾をやると前に書いた ところ、60年代日本前衛美術を研究しているという某大学院生から、この機会にぜひ定期購読したいとの申し込みがあった。媒体としてのマイスキップへも評価いただいたということで、こういう申し出は嬉しいし、続々編企画への後押しにもなる。GUNについてはネタ(というか、切り口やテーマ)はまだまだたくさんあり、今後も誌面スペースを割いていきたいと思っているが、それには読者からの支援応援も必要なので。


■マイスキップ次号2月号は今月末に発行予定。


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