國重友美×英漢字 | a.r.t.

國重友美×英漢字

 國重友美×英漢字

(國重友美作品集第2弾、TOKIMEKIパブリッシング、2,100円)

「英漢字」とは「ええかんじ」と読むらしい。
日本語と英語を組み合わせたという「書」で、一見ふつうの書に見えるのだが、例えば「海」と書かれた文字のなかには崩した「SEA」の文字があり、「魂」には「SOUL」、「真実」には「TRUTH」、「花」には「FLOWER」といったように、漢字とアルファベットをドッキングさせた書になっていて面白い。
先日、テレビで紹介されているさまを偶然見た。「なぜ英語と漢字を組み合わせることを思いついたのか?」なるインタビュアーのセリフを聞いていたら、あんまり(まったく)関係ないが「英語の語源は日本語である」という清水義範のパスティーシュ小説を思い出した。これは「序文」というタイトルの短編。もちろん英語と日本語に繋がりはないが、それをあるとして大真面目に論じる言語学者の話。著作の初版本から改定版を出す度の“序文”のみで構成したという異色かつ傑作小説で、今読み返しても笑える。短編集「蕎麦ときしめん 」に所収されている。 

國重友美展:現在開催中とのこと。

会場は新宿・伊勢丹のアートギャラリー。2月6日まで。


御祝 Congratulation― 國重友美 英漢字作品集
(こちらは作品集の第1作。)